通勤手段は要チェック項目
人材紹介会社からもらう求人票、あるいはフリーペーパーの求人欄などに書いてある通勤手段に関する項目は吟味すべきポイントである。
タイの郊外の求人で職場が一見不便そうに見える場所にあっても、「社有車貸与」の求人で、なおかつ自分で車を運転するのが苦にならない人だったら問題無い。中には、「ドライバー付き社有車貸与」の求人もある。それだったら車の運転をしたくない(出来ない)人でも応募可能だろう。
筆者の場合、タイで転職活動を行なった際、そのときはバイクを持っていて通勤手段については全く問題無いと思っていた。どんなに辺鄙な土地であっても、バイクさえあれば通勤や生活に不便は生じないと思っていたからだ。
だが、そういった楽観が通用しない求人案件もある。ここでは、実際に面接に行ったとあるメーカーでの事例を紹介する。
バイク通勤は却下され、会社のバスでの通勤を告知された
私はそのメーカーでの営業職に応募した。求人票には「社用車(※運転手なし、通勤、営業に使用可能)」と記載されていた。私はてっきり、「これなら通勤にも車が使えるし、休みの日にも車を使って良いんだな」とおもっていたのだ。「パタヤでもラヨーンでも土日を使って遊びに出かけられるぞ、やったあ!」と皮算用をし、あらぬ期待を抱いていた。
ところが、面接の場では話がとんでもない方向に進んでしまった。
「バイクを持ってますから、自分で通勤したいんですが」
「営業だからお客さんとのお酒の接待に参加してもらわきゃいけない。最近のタイは飲酒運転についてかなり厳しくなっているからね。でも、日本人の現地採用にバイクで事故られちゃ会社としても困るから。通勤に関しては、タイ人と一緒に会社のバスで通勤してもらうかもしれない」
「今住んでいるところを引っ越さないといけないですかね?」
「そうだね。会社のバスが運行している路線の近くに引っ越してもらうことになる」
そのメーカーは現地採用に対してドライバー付きの社有車を貸与する方針は無いらしかった。
会社のバス通勤になったときの社畜度アップへの懸念
こういうことになると、もしそのメーカーに入社した場合、自分の「社畜度」が大幅にアップしてしまうことが予想された。行き帰りのバス通勤。通勤時間は管理され、自由度は徹底的に制限されてしまう。
体調不良での遅刻・早退もバス通勤だったら容易にはいかなくなるかもしれない。要するに、一度ウチに入社したら朝から晩まで働いてもらうし、個人の主体性とか自由とかは許さないからな、ちょっと体調悪いぐらいなら這ってでも出社して根性見せろよ!という会社のポリシーだろう。
とはいえ、今となってはそのメーカーに質問して確かめることも無いが、「休日の接待ゴルフ」のときに社有車は貸与されるんだろうか?という問題がある。ゴルフといえばゴルフバッグを持って移動しなければいけないから当然のことながら車は必須になってくる。まあ多分、接待ゴルフのときだけ社有車は貸与されるんだろう。日本人にとってタイのゴルフは仕事の一部だからだ。
条件については面接で細かくつっこんでいく
求人票に書かれていることそのままを鵜呑みには出来ないということだ。やはり面接に行ってみて話を聞いてみないことには会社の本音は中々出て来ないものである。
条件面での話というのは切り出しにくいこともあるだろうが、それでも自分が気になることは些細なことでも明らかにしておいて損は無い。
本ページであげたような話を細かく面接官と交わして行くと、その企業のブラック性というものも浮き彫りになってくる。タイにもブラック企業はある。日系企業だからと言って決して安心は出来ないのだ。
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