社内ニートになったときの暇つぶしの方法あれこれ
これを読んでいるタイ現地採用志望の人は、これから始まるタイでの生活に夢と希望を持っているかもしれない。
タイに来たら多国籍な就労環境の中で、ある人は語学を武器に、またある人は持ち前の明るさや度胸を武器にして、バリバリ働いてキャリアアップしたい!と思っている人もいるかもしれない。
確かに日本では得られない経験がタイでは積めると思う。独立してタイドリームを叶える人もいる。現地採用でもどんどん出世して行く人もいる。
だが、そんなに上手くいく人ばかりではないのもタイの現実としてある。筆者の所感では、ちょっとでも職場で油断すれば、社内ニートになりやすいということをあげておきたい。タイの現地採用の職場というのは、「即戦力」が期待されるからである。上司から(多くは駐在員だろう)の指示待ち族ではいつまで経っても仕事が与えられないケースも出て来る。
職場で何もやることが無くても、自分から率先して仕事を見つけなければならず、上司に「何かやることはありませんか」と聞いているようでは即戦力とは見なされない。自分で仕事を見つけて、段取りを考え、実行していく、ときにはタイ人に指示もして、タイ人と一緒になって仕事をしていかねばならないこともある。
そういうことが出来て初めてタイでは「給料分の仕事をしている」という風に会社からは評価されるだろう。
そうは言っても、いや、「そんなことは分かっているよ、経験が浅いから何をやったらいいか分からないんだよ」という人もいるはず。面倒見の良い上司の下で働ければ社内ニートは防止出来るだろうが、どうやっても社内ニートになってしまった人の場合の暇つぶしの方法をここでは挙げてみることにする。ちなみに、筆者はこれらをすべてタイの職場で実践してきた。
ネットサーフィン
社内ニートの暇つぶしといえばまずこれだろう。すなわち、ネットサーフィンであり、職場でひたすら自分の興味の赴くままにネットを閲覧して過ごす方法だ。これに関して注意したい点がある。それは職場において自分の座っている椅子の後ろに誰か人がいないか?ということだ。
後ろが壁や窓だったら最高な環境である。タイの職場でとくに製造業で多いのが、位の低い順から机が並んでいるケースだ。このタイプの座席の配置は、上司が部下を監視するためだろう。
自分がマネージャーで一番偉ければ後ろの席に座れるが、下っ端の場合、上司から監視されることも頭に置いておかねばならない。
筆者の場合、射出成形工場で働いたときに、後ろは窓ガラスだったが、隣には駐在員の日本人上司が座っていた。やはり、隣に駐在員がいるとおちおち気軽にネットサーフィンも出来ないし、仕事があってもなくても「仕事しているフリ」のエア作業は欠かせなかった。
前の席には自分のタイ人部下が並んで座っていたが、監視する方の立場というのは気が楽だし、ちょっとした優越感を味わえたということも記しておく。
ネットの閲覧ログについては、チェックしている会社とそうでない会社があるだろう。筆者の経験では、過去に勤めたタイの企業において、「○○さん、今日3時間ネット見てサボってたでしょ!」何て言う風に総務から注意されるようなことは無かった。
おそらく、日本人現地採用に対してネット閲覧をログからチェックして注意するような会社はそうそう無いと踏んでいる。日本人は就労時間中にサボらずせっせと働くのが当たり前だからである。上司や同僚の目を盗んでネットサーフィンなどしないだろうという、暗黙の了解が出来上がっているに違いない。
写経
これも暇つぶしとして使えるテクである。筆者がよくやっていたのが英文写経、タイ語写経であった。いずれも語学力向上のため行なっていたのである。とくにタイ語の単語をノートにひたすら書いて覚えるということもやっていた。単語を書きながら音読できれば学習効果はもっと高いかもしれないが、それは職場だから致し方ない。黙々と書いているだけでも効果はあると思う。
読書
読書も定番の暇つぶしの方法かもしれないが、私は読書については職場ではあまり集中出来ない性質であった。というのは、周りのタイ人のおしゃべりの声の音量が大き過ぎて読書に集中出来ないのである。職場のタイ人の声は日本人が思っている以上に大きい。仕事以外の世間話になるとボリュームが一層大きくなるんじゃないか。それを咎める日本人上司はまずいないから、就業時間中でもタイ人は余計に調子に乗って大声で騒いでおしゃべりに興じるのである。
彼らはなぜあんなに大声で喋るのか。ギャーギャー、ワーワー、うるさいことこの上ない。ああやって騒ぐことで、「自分たちは楽しそうに皆と仲良くやっている」というのを周囲にアピールしたいんだろうか。あまりにもうるさいので本気で耳栓をつけて仕事しようかと思ったくらいだ。
読書するときはなるべく写経とあわせて行なうようにしていた。写経をすることで重要なポイントが頭に残りやすくなるし、周囲の目にも、「あの人は何か書き物をしているから仕事をしているに違いない」という風に映ると思う。
給湯室でメーバーンとおしゃべりする
工場ではとくに社内コミュニケーションが大切になる。といっても、筆者の場合はオフィス内にはほとんど親しい人はおらず、部下のタイ人とも別セクションのタイ人とも仲良くなっていなかったので、よく給湯室で暇を潰していた。
メーバーンというのはタイ語で社内の掃除をしたり、来客用のお茶を出したりする人のことを言う。メーバーンとは仕事上の利害関係がほとんど無いので仲良くなることが多い。給湯室で他愛無いおしゃべりをして、お茶を飲んでいるときが一日の中で一番癒される瞬間であった。
給湯室にいると社内の別セクションの人もよく訪れるので、会話をする機会も生まれる。給湯室はいわば喫煙者にとっての喫煙所のような役割を果たしていたわけである。
まとめ
いやはや、過去の職場を回想しつつ書いたが、自分でも呆れるほどの体たらくぶりである。こんな日本人でもタイで働くことが可能だったし、ある種のゆるさというものがタイの職場には存在すると思う。
大事なことは、社内ニートになってしまったときも必要以上に落ち込まず、有り余る職場での時間を自分の勉強に充てたり、場合によっては転職活動をすればいいわけである。
社内ニートになってしまうのは就労者本人の努力不足がある一方で、会社はその人を雇用してしまった責任があるのだから、どちらが一方的に悪いという問題ではないはずだ。雇われる側の方が通常立場は弱いからあまり落ち込まずに前向きに社内ニートという問題に立ち向かって欲しいところである。
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