タイローカル企業は営業職でも定時で帰れる

タイローカル企業は営業職でも定時で帰れる

タイに来て日系企業に入社したとする。技術系の仕事や、その他の事務系の仕事だったら定時で帰れる会社も多いのではないだろうか。とくに工場の仕事の場合、時間きっかりに仕事を終えて、定時で帰れるという会社が多いんじゃないかと推察する。

 

ところが、営業職に就くと定時では帰れないことが多い。

 

これは業務の性質によるのだろうか。現地採用で営業をやっているときにも、「駐在員の上司が帰るまで帰れない」というおかしなルールに直面してしまう。

 

定時に上がれない日系企業

 

筆者がチャチュンサオの射出成形工場で働いていたときに仕事の終わる時間は17時半であった。17時半になると一斉にタイ人スタッフたちは帰り始める。1分たりとも残業はしないという彼らの姿勢を見て、タイ人と日本人の仕事観の違いというものをまざまざと見ることになった。

 

帰り支度をしてスタコラと帰ってしまうタイ人たちを見ながら、「私もお先に失礼します」と言って駐在員を置いて帰ってしまうわけにはいかなかった。仕事が有る無しに関わらず、定時には上がれないという空気が存在したのである。そういう空気は出来るだけ読まないように筆者は努めているのだが、日本人との関係の中で抗うことが難しい空気も存在するものだ。

 

17時半には上がれないので、仕方なく18時15分とか、18時半に上がるようにしていた。日系企業ではこういう気遣いをしなければいけないのが本当に面倒くさいものだ。

 

タイローカル企業なら営業でも定時で帰れた

 

タイローカル企業だとどうだろうか。

 

筆者がタイローカル企業で営業をやっていたときには、定時で帰ることが出来た。上司は日本人だったが、勤務時間のことをうるさく管理する人ではなかった。

 

周りのタイ人スタッフも定時になると一斉に帰っていたし、管理部門のタイ人でさえ15~20分程度の残業はしていたが、基本的に仕事が終わったら帰るという方針を持っているようだった。

 

日系企業のように社員同士が相互監視しながら他者の抜け駆けを許さない!(つまり、付き合い残業をしないようなのは社員としてやる気が無いなどとみなす風潮)というような考え方は、タイ人には一切無いらしかった。

 

定時でスパッと仕事を切り上げて帰れるのはとても気分が良いことであった。タイローカル企業に入ることのメリットの一つになるだろう。

 

まとめ

 

上記の二つの事例の違いというのは、「残業代が出るかどうか」ということも関わってくるだろう。タイ人スタッフに対してはサービス残業など命じられないということもあるだろうし。

 

日系企業に日本人現地採用が勤めると、残業代が支払われないケースがほとんどだと思う。残業代がもらえないんだったら、残業しないでさっさと帰ろうという風に簡単には出来ない職場が多いのが日系企業に勤務するデメリットである。

 

タイローカル企業の場合は日本的な社内の空気の問題に対処しなくていい、風通しが良い反面、自己責任でもって仕事の結果を出さなければいけない大変さがある。

 

果たして、どちらを選ぶのが最善だろうか。