バンコクのサービスアパートで働く回転さんの話

バンコクのサービスアパートで働く回転さんの話

プロフィール

  • 名前:回転さん
  • 年:38歳
  • 業界:サービス業
  • 職種:ホテル
  • 現地採用歴:2年
  • 給与:40000THB

 

アメリカとメキシコを数年放浪した後、タイに流れ着いて来た回転さんから話を聞いた。

 

アメリカ、メキシコを放浪していたときのことを教えて下さい

 

まず最初、アメリカのニューヨークへ行きました。ニューヨークでは語学学校に1年いました。

 

世界中から集まった色んな人たちとのコミュニケーションがありました。そのとき、タイ人の語学留学生と仲良くなったんです。

 

その後、カリフォルニアに行きました。仲良くなったタイ人達はカナダやオーストラリアに旅立って行きました。

 

カリフォルニアに住んでいた頃は、ティファナにもよく遊びに行きました。そこでは米ドルもペソもどちらも使えるんですよ。ティファナというのは街の治安があまりよくないのですが、街全体の雰囲気がとてもよかったです。

 

それで、メキシコで住んでみたいと思ってメキシコに移動しました。

 

メキシコではメキシコシティーに住んでいる友人の家に居候していました。メキシコシティーからティファナにも行きましたよ。電車に乗りたかったので乗って行ったらだいたい1000kmぐらい離れていました。

 

カンクンに行ったり、メキシコ滞在中はよく遊んでいました。まあ、放浪生活です。それから日本に帰りました。

 

日本で働いてタイへ

 

日本にいたときにニューヨーク在住時代に知り合ったポールという名前のタイ人と、電話で連絡が取れました。ポールはもともとイギリスで設計技師をしていました。でも給料が月給500〜600ドルと安いので、アメリカに渡ってウェイターをしていたのです。

 

アメリカでウェイターの仕事に就くとチップなどを合わせると月給2000ドルほどになるんです。

 

ポールとも連絡が取れたし、大学時代の友人もタイで現地採用として働いていたので、タイに行くことに決めました。日本で仕事をして50万円ぐらい貯金してからの渡タイでした。

 

タイで最初に働いたのはアプリを作る企業

バンコクのサービスアパートで働く回転さんの話

 

タイに来て一番最初に勤めたのはIT企業でした。主にデータベースを使ったウェブサイトの作成だとか、ゲームのアプリなどを作っている会社でした。

 

日本の本社から仕事の指示が来て、タイ人のエンジニアにそれを伝えるのが私の役目でした。日本人は私のほかにサポート部隊の方が一人と、社長が一人いました。社長は日本人でしたが、仕事にはほぼノータッチの状態でした。

 

仕事は月〜金(土日休み)の完全週休二日制でした。ただ、アプリの納品日の前には土日出勤になったこともあります。

 

朝はだいたい8:00から始業で、夜は20:00頃まで仕事してました。夜仕事が終わった後に、業務についての「勉強会」ということでタイ人のエンジニアと議論をよく交わしていました。

 

タイ人エンジニアはとても優秀で、「先を読む人たち」だなあと思っています。彼らは英語も使えるので、タイに来たばかりの私にとっては非常に仕事がしやすかったです。

 

給料は45000THBもらってました。臨時ボーナスもありまして、たまに日本から偉い人が来たときに、ポンと3000THB置いて行ってくれるときがあったんですよ。そのボーナスはタイ人とかと飲んだり、会社に設置するための冷蔵庫や扇風機を購入するのに使ったりしました。

 

この仕事で大変だったのは、ドキュメントを書くことでした。それは日本への報告書なんですが、タイ人と話し合ってそれをまとめるんです。やはり、言葉の壁もあって、ドキュメントを書くのは中々難しかったです。

 

忙しかったのですが、良い仕事ができたと思っています。そこには1年間勤めましたが、日本本社の決定でタイの支社を閉めることになりました。ちょうどその頃、円安バーツ高になって、タイを使った仕事が成り立たなくなったんです。

 

その会社はベトナムにも協力会社があって、今までのタイのビジネスをそのままベトナムでやった方が良いということになりました。

 

退職のときの引き継ぎも大変でした。タイ人のエンジニアが書いたソースコードにコメントを残す作業などがありました。日本サイドへの引き継ぎには3週間ぐらいかかりました。その間、事務所を閉める作業もしながら、アプリの納品もやりました。

 

バンコクのサービスアパートで働く

 

アプリを作る会社を退職した後、「日本に帰るか、帰らないか」ということで悩みました。時間も出来たので、タイ語学校にも通いました。だいたい六ヶ月ぐらいの間、タイ語会話を学校で学びました。

 

タイ語学校にいた頃に知人からの紹介もあって、バンコクのサービスアパートメントに転職することが出来ました。

 

今の仕事内容は、だいたい以下の5つになります。

 

  • レセプション業務(予約の受付、チェックイン・チェックアウトの対応)
  • セールス
  • クレーム処理
  • パンフの作成
  • 朝食の配膳

 

サービスアパートの仕事の時間割は3パターンです。

 

パターン1
4:00AM - 9:00AM

<朝食の配膳>

タイ人が休みのときには、4時から仕事してます。食器をテーブルに並べる作業です。タイ人が勤務するときは6:00AMスタートになります。

中抜け 中抜け
16:00PM - 19:00PM レセプションとレストランでの配膳の仕事をしてます。

 

パターン2
9:00AM - 14:00PM 外に営業するときにはこの2番のパターンになります。バンコク圏外に営業に行く場合、朝6時に出発することもあります。
中抜け 中抜け
16:00PM - 19:00PM レセプションとレストランでの配膳の仕事をしてます。

 

パターン3
6:00AM - 9:00AM 3番のパターンのときは配膳は終わっています。食事のときにお客さんのクレームを聞くのが主な仕事です。
中抜け 中抜け
17:00PM - 22:00PM レセプションとレストランでの配膳の仕事をしてます。また、日本人ツアー客の対応もしています。夜にもお客さんからのクレームはもちろんあります。

 

セールスについては、工業団地を訪問して、「うちのサービスアパートに入りませんか」と話をして長期のお客様の獲得を目指してやっています。リストを自分で作って、一件、一件電話するんですが、まさに電話セールスですね。そのリストというのも入社前に「リストがある」と聞かされていたのですが、入ってみたらリストなんて無くて自分で作らなければなりませんでした。

 

200件ぐらい電話してだいたい10件ぐらいアポになります。

 

遠方のお客さんでも出張時にうちのサービスアパートを利用してくれることがあります。

 

この仕事で大変なのはクレーム処理です。

 

古いサービスアパートで、オーナーがリノベーションをしないので、しょっちゅう色んなところが壊れます。「クーラーが動かない、効かない」、「シャワーからお湯が出ない」、「インターネットが使えない、速度が遅い」、「TVが使えない」、「タオルが無い」、「ブレーカーが落ちた」といったクレームをもらいます。

 

例えば、「TVのチャンネル数が少な過ぎる」というお叱りの声を受けることもあります。だいたい仕事に来てるのに何でテレビなんて観てるの!?って感じですけどね。「部屋にコンセントの数が足りない」というクレームも多いです。

 

長期滞在者の方はそういうクレームがあまり無いんですけどね、短期の方はこういったクレームが多くなりますね。

 

サービスアパートに修理をするタイ人は常駐しているんですが、夜になるとその人はいないんです。それで夜は自分でクレーム対応をしないといけません。

 

夜中の1時にシャワーが爆発したなんてクレームを受けることもあります。1日の仕事が終わって、ゆっくり眠っているときに、電話で叩き起こされるわけです。水道管と温水器をつなぐダクトの部分が壊れて、そこから水が勢い良く漏れてしまっていたんですね。そういうときは元栓を止めて、別の部屋にお客さんを案内します。

 

あと、予約の電話が自分の携帯にかかってくることもあります。基本的に24時間対応です。21時以降や、休みのときにも電話はかかってきます。

 

給料についてですが、入る前には40000THBと言われていました。試用期間も40,000THBだという話でした。入ってみたら試用期間は減給であると言われました。なおかつ、試用期間は3ヶ月だと言われていたのに、実際はビジネスビザが取れるまでの5ヶ月間でした。

 

試用期間中の給与の支払いですが、1日1300バーツを「働いた分だけ手渡し」でもらっています。部屋は支給されています。サービスアパートメントの隣にあるバラックのような平屋の小屋です。トタン屋根で出来ていて、雨が降るとうるさいです。

 

小屋の後ろにはドブ川が流れています。近所のタイ人が洗濯後の汚水や、食べ残しなどを川に流すんです。それで強烈な異臭がドブ川から放たれています。

 

部屋のガラスや壁に穴があいていて、雨が降ると下から水が漏れて来ます。お客さんの部屋でも風や雨が強い日にはサッシから水が入って来ます。ちなみにサービスアパートメントの最上階の部屋は雨漏りしています。

 

食事はまかないが付きます。朝と夜の二回です。夕飯が美味しく無いことが多いです。お客さんからクレームがあった料理を食べるとやはり味がよくないということに気付きます。勉強のために売れていないメニューをあえて選んで食べています。なぜ売れていないのかを身をもって知る為です。ほんと、まずいメニューを食べさせられてますよ!

 

メニューについてはエクセルで集計をしています。それを見ると土日に売上が落ちるのが分かります。宿泊客も土日は外食をするということでしょう。

 

タイ人と働くのはどうですか?

 

シェフが私の提案を受け入れてくれないことが悩みの一つです。うちのサービスアパートメントでは、コロッケは冷凍コロッケを使っています。これはシェフが手を抜いているんですよ。近所にある料理屋では自分のところでコロッケを作っているから、美味しいのでお客さんも来て繁盛しているようです。

 

うちでは、ラーメンも販売していますがインスタントなので、一ヶ月に10杯くらいしか売れません。

 

それからサービスアパートで出されるコーヒーがインスタントコーヒーなんですよ。日本人はコーヒーが大好きなのに、なんでちゃんとしたコーヒーを出さないんでしょうかね。

 

サービスアパートの一階に小物を売っている雑貨屋があるんですけど、品揃えがコンビニで販売されているものとかぶっています。仕入れが簡単だからですね。「もうちょっと特色のあるものを置いたらどうか」と、その雑貨屋を仕切っている会計の女の子に提案しましたが、聞き入れてくれませんでした。

 

あと、お客さんから「ウェイトレスがセクシーじゃない」という声もいただいています。やっぱり、一緒に働くなり、お客さんとして対応してもらうなりするときに、ウェイトレスは美人でセクシーな方が、男だったら嬉しいですよね。

 

タイ語についてはどうですか

 

仕事でタイ人と話すときには英語を使っています。日本語を使うときもありますね。今はタイ語を勉強する時間が無いですよ。サービスアパートのパンフレットを作成する仕事もあったり、あんまり自由になる時間が無いです。

 

でも、カラオケに行く度に、タイ語をもっと勉強したいという気持ちが湧いて来ます。

 

仕事で楽しいこと、面白いことはありますか?

 

お客さんが来てくれたら嬉しいです。それは売上につながりますからね。あと、アゴダから予約のメールが来たときも嬉しいです。

 

サービスアパートという仕事の性質上、日本人以外のお客さんとのコミュニケーションもあるので、そこは楽しいところです。うちでは魚料理が売りの一つなんですけど、ファランには売りにならないです。

 

日本にある会社で勤務している韓国人や中国人のお客さんも来ます。彼らは給料も高いからでしょうか、礼儀正しくて、クレームも無いんです。例えばテレビが故障していても、「テレビは映らなくていい」と言ってくれるんです。

 

今後について

 

転職を考えています。でも、自分の力でここのサービスアパートの売上を上げてから転職したいです。

 

これからタイで働きたい人へのメッセージ

 

人脈を作りましょう。タイにいれば色々な人との出会いがあります。