面接での質問リスト
近年、労働者を違法に搾取・収奪しようとするブラック企業の問題は激しさを増してきた。ブラック企業かどうかをいかに見極めるか?というのが転職活動において大切なことだろう。
ブラック企業は一度入社してしまうと、その組織から抜け出すのにもエネルギーや時間を費やすものである。
タイにももちろんブラック企業はあって、現地採用で働く日本人にとってもその問題は決して他人事ではない。インターネットで求職者はタイのブラック企業情報はそれ程多く入手できないだろう。タイでの就活で頼りになるのは、知人による「口コミ」や、実際の面接の場での情報収集である。
面接を受けるにあたって、予め質問リストを作っておくと良い。これは入社した後、「こんなはずじゃなかったのに!」ということを防止するためである。自分で用意した質問に対する企業側の答え如何によって、その企業のブラック度を判断することもできる。
以下は、事前に想定できる質問集である。
- 社内に身内がいるか?
- VISA取得にかかる費用はどうなっているのか?(交通費など)
- 前任者は何故辞めたのか?
- 業務に対してトレーニング、講習はあるのか?
- 就業時間、休日、有給の確認
- 医療保険の有無
上記の詳細について解説していく。
社内に身内がいるか?
オーナー企業の場合、社内の偉い人たちがすべて身内で固められていたりする。入社後、そのファミリーに気に入られれば良いが、うまくいかなかったら悲惨な会社員生活が待っているだろう。
VISA取得にかかる費用はどうなっているのか?(交通費など)
タイ現地採用のビザラン費用について、ほとんどの会社が費用を負担しないのではないかと思う。余程儲かっている会社は別なのだが、たいていの会社は余裕の無い状態で現地採用を雇用するからだ。
中には、「入社半年後、ビザラン費用を支給」というような条件を提示する会社もあるのでチェックすべきポイントだ。
前任者は何故辞めたのか?
これは聞いても正直には答えてくれない可能性もある。たとえば、前任者が職場の人間関係を苦にして、辞めてしまったケースなど。その職場に何か問題があるからこそ空きが生まれて募集になったのだろうから、入社するかどうかの判断材料の一つとして出来れば聞き出しておきたい情報だ。
業務に対してトレーニング、講習はあるのか?
ただ単に漠然と、「ウチはOJTで仕事を覚えてもらう」などと言ってくる会社は要注意だ。OJTと言えば聞こえは良いが、単に会社からほったらかしにされるということも考えられるからだ。
OJT → 仕事が理解できない、成果をあげられない → 放置プレー → 社内ニート → 退職もしくは解雇。こういう負のスパイラルに陥ることは避けたいものだ。
就業時間、休日、有給の確認
たとえば、土日完全週休二日を希望していて、求人票にも「週休二日(土日)」と書いてあったが、面接官に確認したら、「隔週土日週休二日」だったということもある。
求職者としては騙し討ちをくらったような感じがしてしまうところだが、自分がはずせない条件についてはチェックすることが大切だ。
医療保険の有無
タイの場合、タイの公的な社会保険のみ加入させてもらえるという条件の会社が多い。タイでは試用期間内でも社会保険への加入は義務となっている。(たまに、試用期間内では労働者に社会保険に加入させないケチなブラック企業もあるので要注意である。)
注意点
以上が面接での質問集なのだが、注意しなければならないポイントがある。それは、これらの質問をストレートにぶつけてしまうと面接官によっては心証を害することもあるだろうから。
そのため、表現には出来るだけ注意を払いたい。
また、条件面での質問は面接の後半になってから詰めていくようにすると良い。
エージェントの力を借りることもできる
人材紹介会社を通しての就職活動の場合、内定が出た後に、細かな条件について企業側と交渉してもよい。
その際は、エージェントに間に立ってもらって、交渉してもらうこともできる。筆者の場合も過去に腕の良いエージェントにお世話になったことはある。自分と合う腕利きのエージェントと仲良くなっておくことが、タイの就職戦線を勝ち抜く上でとても大切である。